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ちょっといい話

メリシャカコラムリレー、今回の御題は「ちょっといい話」です。

○自分よりも相手を大切にできたら素敵ではないか?

なかなかできないが、仏教を学んでいく中で、時々思うことがあります。
自分のことよりも相手を大切にできたら、きっと僕はもっと幸せなのだろうかな。
めったにできるものじゃないけれど。

今日、京都でおぼうさんの研修が終わり、岡山の実家まで新幹線に乗って帰っている時のことです。

ちょうど夕方だったため、乗る人がすごく多くて、イスに座れず友達と二人で立っていました。多分新大阪で座れると思って、混む車内を耐えていました。

座椅子と座椅子の通路には人がいっぱいでした。まるで芋の子を洗ったような!

ギュウギュウ人が詰め込まれた中で、そこに、お弁当やお茶を売っている人が通ってきました。

正直「今来るのか!」と思いましたよ。余計狭くなるじゃん。たぶん通れないと思うよと。

「すみません、通らせてください」と相手に聞こえるようにはっきりと、でも相手を気遣う優しい声で売り子さんはお弁当とお茶を抱えてこっちにきました。

僕は何気なく注目していたら、彼は、お客さんを気遣いながら、限界の限り身体を細めて、歩いていました。

反対の方から、ビジネスマンがトイレに行くのか、携帯電話をかけようとデッキを向かうのかは分からないけれど、さっとこちらに来ようとした時、即座に売り子さんは「こちらにいらっしゃいますか?」とサラリーマンに聞きました。

こちらに来ることが分かると、今までやっとのことで通ってきたこれまでの人の波を、どんどん後退されていったのです。

また、混んでいる中の前進、初めからやり直しです。

でも、サラリーマンを先に通すために、自分がせっかく頑張って来たのに、後ろに下がったその心優しさには、ちょっと頭が下がりました。

人は大勢狭い所でギュウギュウいるものではありません。

疲れのせいもあり、ちょっとイライラしていた僕には、「自分のことよりも相手のことを気遣われる」売り子さんの後ろに下がられた行動が、とてもあたたかく感じたのです。

新大阪の駅で僕はやっと座ることができました。「他の人に取られるな!」と、我先にと座った僕は、売り子さんを思い出して少し恥ずかしくなりました。

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