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諦めるということ

こんばんは。るるです。

仏教恋愛論vol.2です。
出遇いと別れの春でございますが、皆様いかがお過ごしですか。
素敵な出会いはありましたか?

今回は、あるお年頃な女の子の話を。

彼女は、高校生です。
友達も増え、出会いも増え、青春時代を謳歌していました。
好きな人もできました。
相手も憎からず思ってくれているようです。
朝は、待ち合わせをして学校に行きました。
帰りは、駅まで一緒に歩きました。

ふと、廊下ですれ違う瞬間のときめき。
クラスメイトの女の子と話をしているのを見たときの不安感。
でも、一緒にいるときの楽しさ。
ふと手が触れた瞬間の鼓動。
デートとは言っても図書館に行って、ファーストフードでランチして。
自転車で、あちこちを走り回った。
菜の花。桜。あじさい。
毎日が楽しくて、嬉しくて。
一緒の大学に行こうね、なんて話して、だから勉強だって楽しかった。


ところが。
ひとの気持ちは変わるもの。
そう。
変わらないものはありません。
どんなに好きでも、いつか変わっていくもの。
諸行無常・・・とはこのことです。

彼の様子が変です。
一緒にいても、つまらなさそうです。
ささいなことでけんかをします。
どうして?と問いかけても何の返事もない・・・。

いつもならふたりで帰るはずの駅までの道。
雨が降っていました。
ひとりで、彼のことを思って歩いていました。
もう、これで終わるのかな・・・。
雨が、涙みたい。
こんなに好きなのに・・・何が悪いの?
いつの間にか、下を向いて歩いていました。
肩にかけた傘が重くて、重くて。

大きなため息をついて、思い切って傘と顔を上げました。
その時、雨の道路越しに彼女が見たもの。
それは。

大好きな彼と、彼女の親友の姿でした。
ひとつの傘。
寄せ合う肩。
見詰め合う瞳。
楽しげな表情。

息が止まるかと思いました。
傘が、落ちたのにも気づきませんでした。
涙なのか雨なのか、もうわからなくなりました。
どうして?
どうして!


それからしばらくは苦しかった。
親友とは強がって話をしたけれど、彼女も苦しんでいることは分かった。
彼とも話をしたいけれど、思うように話が出来ない。
君には関係ない、なんていわれたりして。

枕を抱いて、泣きながら眠る日が続きました。
どうして?なんでこんな目にあうの?
彼もひどい。私の気持ちを知ってて、心変わりするなんて。
彼女もひどい。親友の好きな人をとるなんて。
私のことをいったいなんだと思っているのよ。
どうして、私じゃだめなの。
かわいそうな私。
こんなことになるなら、恋なんてするんじゃなかった。
あきらめなきゃいけない?
でも、うらむよ。
私をこんな目にあわせたふたり。許せない。
絶対に許さない。

親友とは、話をしなくなりました。
恋も友達も、なくしました。
でも、なくしたのはそれだけじゃなかったみたい。

彼女の顔から笑顔が消えました。
生活態度が悪くなって、学校も休みがちになって、暗い目をするようになりました。
彼女の心の中には、なんともやり場のない気持ちが渦巻いていて、気がつけばあのふたりの悪口ばかり。他の友達もだんだん彼女の話を聞かなくなります。

どうして?
私が悪いんじゃない。私は被害者よ。
どうしてみんな、私が悪いみたいに言うの?
かわいそうなのは、私。
あの人たちが苦しむのは、当然よ。
だって、私をこんなに苦しめているんだから。

そんな自分の気持ちをもてあまし、自分で自分の首をしめているような感覚。
彼女は、疲れてきました。
もう、どうしていいのかわかりませんでした。


そんなとき、ふと彼女の心に飛び込んできた言葉がありました。

「あきらめるとは、自暴自棄になることではない。
真実を見極める、明らかにするということだ。
それが、諦めるということである」

はっ、としました。ドキリ、としました。愕然としました。
私は何にとらわれていたのか。
私は何に固執していたのか。
それは、もはや恋ではありませんでした。
その正体は、「我執」。
でも、怒りや恨みに曇った目では、その正体は見えなかたったのです。

涙とともに、何かが落ちていきました。
まなざしに、力が戻ってきました。
真実を見極める。明らかにするということ。
恋は終わったのだという真実。
私では、だめだったのだという真実。
人生は思い通りになるものではないという真実。
変わらないものはないという真実。
思いもかけないことがおこる、という真実。
誰にも、苦しみはあるという真実。

彼女は静かに涙を流しました。
一晩、終わった恋を思い出していました。
親友との会話も、思い出しました。

余分なものが消えてなくなった気がしました。
鏡を見ると、最近の嫌な顔じゃないことに気がつきました。
むしろ、恋をしているときより綺麗になったかもしれない。
そんな気さえします。

素敵な思い出だって、たくさんあった。
それで、いいか。
私には新しい未来がある。
もっと大事なことがある。
それで、いい。

そんな風に思うようになりました。
立ち上がり、窓を開けました。
朝が来ます。

背伸びをしました。
新しい季節が始まろうとしています。

彼女は、ひとつ、大人になったのかもしれません。

「あきらめるとは、自暴自棄になることではない。
真実を見極める、明らかにするということだ。
それが、諦めるということである」

この言葉は、今でも彼女の心に生きているのです。


~ある恋の話~ おしまい。
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・・・えっ?”彼女”は誰かって?
それは、ナイショです。笑。

るるでした。

コメント (2)

るる:

うんうん。

泣くと言う字は、さんずいに立つと書く。
涙と言う字は、さんずいに戻ると書く。

涙を流して、立ち上がりそこから日常・現実へ戻るのだね。

ちすい:

恋は終わったのだという真実。
私では、だめだったのだという真実。
人生は思い通りになるものではないという真実。
変わらないものはないという真実。
思いもかけないことがおこる、という真実。
誰にも、苦しみはあるという真実。

上の文章が胸に突き刺さったよ。
正直泣きそうになった(笑)
真実は厳しいね。
でも、真実に気づけたらいつかきっと受け止められる。

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2006.4.26-
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