カナダ出身のシンガーソングライター、Daniel Powter(ダニエル・パウター)のアルバム。
一時期、ワイドショーなんかで記憶を無くした「ピアノマン」が話題となったが、ダニエル・パウターはまさに「ピアノマン」と呼ぶにふさわしいかもしれない。
アルバム全編に渡って、彼の弾く美しいピアノと、澄んだハイトーンボイスが優しく、温かく響き渡る。
曲の構成も、ピアノを中心として、実にシンプルで、どこか懐かしい。
それでいて、柔らかで切なさを秘めた、美しいメロディーの曲もあれば、
まるでパーカッションのように軽やかにピアノが演奏され、自然と体が揺れてしまう、グルーヴ溢れる曲と、とてもバラエティー豊かで、全体を通して、スッと耳に、心に、音が溶け込んでくる。
また詞も、彼の人生を通して滲み出てきた温かみがあり、
特に3曲目の「Bad Day」の歌詞は、落ち込んでいる時に聞けば、涙が出そうにさえなってしまう。
それもただ切なく、悲しみを喚起させるのではなく、悲しみに寄り添い、
無理に背中を押すのではなく、
「そんなにがんばらなくてもいいんだよ」と、
背中を優しく撫でてくれるような、
そんなメッセージが込められている。
この曲を聞けば、悲しみの涙を流した後でも、顔を上げて、前を向いて歩いていこう、そんな元気を少しだけもらえる気がする。
今、悲しみの中にある人、落ち込んでいる人には是非聞いてもらいたい1曲であり、少し切ない春の夜に、オススメのアルバムです。
