気付き

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朝日新聞の2008年12月18日付けで掲載された記事をご紹介します。

分子生物学者の福岡伸一さんが、高校生に授業された時の内容です。
授業では、脳死についてのことでした。
福岡さんが「今、私たちは脳死を人の死と定めているけれど、それなら何時人は生まれると考えたらよいでしょうか」と生徒に問いました。
様々な答があり、受精した時、中絶が禁止される22週目、脳が機能する33週目などの答えがありました。
この中で、妊娠22週説について、福岡さんが「妊娠22週目からと答えた人たちは、22週以前は生きていなかったと考えるわけですね」と聞くと、教室は静まりかえったそうです。
「社会が生命とは何かを決めているという現実に生徒は少しずつ気づいていった」と記事で語っていました。

この記事を読み、私たちは答えようのないことに答えを出し決めようとしていたことに気付かされます。決められないことを決めて答えにしているのではないでしょうか。福岡さんのその問いの大きさと深さに気付いて立ち止まった高校生達が、その問いに答えられないことに対する、たじろぎ、躊躇すること、そこに初めて人間への新鮮な出発点があるかもしれません。

今日の日本は100年に一度の不景気と言われます。その中で、派遣切り、非正規雇用の切り捨てにあう方も少なくありません。そこから見えてくるのは。効率よく生産し少しでも金銭を集めるため、それを最善のこととして、人を労働コスト、生産コストとしか見ないと決めている私たちの社会があります。

脳死や死刑。
躊躇し、たじろぐようなことに平然と答えを出しているかのような現代社会に私たちは生きています。
そんな姿を正信偈には、「邪見驕慢悪衆生」(よこしまな考えをもつ)と指摘続けていることに気付かされます。
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