最高の味
- 2009年12月17日(木) 文:sakulla
- 仏声人語
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sakullaの出産記録・エピソード6
今回はオッパイ(母乳)についてのお話。
私の場合、産んですぐ赤ちゃんが保育器に入ってしまって、そばにはいなかった。
それを聞いた人に「夜中とか赤ちゃんが泣いてオッパイを催促しないからラクでいいね」と言われたことがある。
だが、それはそれで、それなりの大変さがあったので、体験した自分もビックリしたくらいだった。
夕方に出産し、そのまま赤ちゃんと離れ離れになったとき、オッパイのことなんて考える余裕もなかった。
だが、その日の深夜、看護師さんが母乳マッサージをすると、白い液体が滲み出るようになる。
その少量の母乳を針のない注射で吸い取って、赤ちゃんのいるNICUへ持っていく。
次からは自分でマッサージをして母乳を搾り、だんだん分泌量が増えると、今度は電動搾乳器が病室に運び込まれ、両方のオッパイから同時に母乳を搾り出す。
この時、左右の胸からそれぞれ搾り出される母乳を受け止めるボトルを、両手で一本ずつ持っているので、結構疲れる。
ボトルに溜まった母乳を、今度は母乳パックという保存用のビニール袋に詰めて、日付などをテープに書き込み封をする。
これを昼夜問わず3時間おき、1日8回繰り返す。
入院中は、深夜ナースコールで起こされ母乳を搾り、家に帰ってからは目覚まし時計で真夜中も2回起きては、レンタルした電動搾乳器で母乳を搾る。
搾り続けることで、赤ちゃんが自力で吸えるようになったとき、また退院してからも母乳が出る状態を維持することができるわけだ。
更に、母乳は業務用の冷凍庫なら3ヶ月は保存可能なため、家で冷凍したものをNICUへ持っていくと、面会時間以外は解凍した母乳を看護師が赤ちゃんにあげてくれる。
早産した母親の母乳は、通常の母乳より栄養価が高く、無駄にするわけにはいかない。
赤ちゃんの泣き声で起こされないため、寝過ごしてしまいそうにもなったが、その意識が寝不足の私を支えてくれた。
で、ここからは全くの余談だが、母乳を放置すると分離をし、半透明の液体にクリーム色のドロドロしたものが浮いてくる。
哺乳瓶に入れ、冷蔵状態でNICU持って行くのを忘れてしまったとき、帰ってから冷蔵庫を開けると分離した母乳が待っていた。
ヨーグルトのような、柔らかいチーズのような…、醍醐とはこういうものを言うのかもしれないと思ったりした。
仏教辞典には、【醍醐】とは「バターを煮とかした時にできるクリーム状の浮きカスで、乳酪の最も精製された最高の味のもの」とある。
だが、中国から伝来した醍醐は、中世の日本でも作られていたらしいが、その正確な精製法は失われているため、どのようなものかは定かではない。
では、なぜ乳製品みたいなものが仏教辞典に載っているかというと、醍醐は数ある経典の中でも涅槃経こそが最高であることを例えるものだったからだ。
牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より熟酥を出し、熟酥より醍醐を出す
仏の教えもまた同じく、仏より十二部経を出し、十二部経より修多羅を出し、
修多羅より方等経を出し、方等経より般若波羅密を出し、般若波羅密より
大涅槃経を出す
このように、最後に行き着く最高の教えは、牛乳の精製の最後に行き着く最高の味と同じ…というわけで、これが醍醐味の語源である。
もっとも、私のオッパイはそれほど大層な味ではなかったが…。
ちなみに熟酥(じゅくそ)をサンスクリット語で「サルピス」といい、これはカルピスの語源らしい。
…なんか収集つかなくなってきたが、結局何が書きたかったんだろ?
まぁ、こんなときもあるさ。
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