それは仲間です

 「最後に、ひとつだけ言わせて下さい」。試合後のインタビュー。3万6000人の大観衆の前で早稲田大学のエース斎藤佑樹は意を決したようにこう続けた。「いろんな人から『斎藤は何か持っている』と言われてきました。今日、何を持っているのか確信しました。それは仲間です」。


昨日は東京六大学では50年ぶりとなる早稲田大学と慶應義塾大学での優勝決定戦でした。




個人的なことを言わせて頂くと、私は所謂「オタク」であります。
何オタクかと言いますと、自他共に認める野球オタクです。
小学生の時から、朝起きると真っ先に新聞のスポーツ欄の野球記事を端から端まで読み通し、打率順位やら本塁打順位などなど見るのが大好きでした。
今では、全球団選手別応援歌の聞き分けや全球団選手の出身校は大体わかります。
たまに、テレビで野球オタクの人が出てオタクぶりを発揮していますが、「あまいっ!!」と一人で突っ込んでいます。

 
そんな私ですが、昨日の早慶戦は涙なくしては見られない試合でした。
まず、言わずと知れた斉藤投手は4年前の夏の甲子園で現楽天のマー君こと田中投手と決勝戦で激闘を共にしたことで一躍全国的になりました。
汗をハンカチで拭いていたので「ハンカチ王子」とのニックネームが付いたことでも有名です。

 
昨日の試合は、私的に見所満載でした。
9回2アウトで捕手交代で出た捕手が、斉藤投手と高校時代バッテリーを組んでいた選手で、背番号6番は正捕手番号なのですが、期待されていたけどなかなか実力が発揮できず、4年生最後の試合でアウトは正捕手でとの監督の愛情などなど。。。
語り出したらとまらないドラマが昨日の試合ではあったわけです。

 
そんな僕の心が感情飽和状態で迎えた試合終了の後、斉藤投手から飛び出したインタビューが冒頭の文章です。


感動しました。

今、僕も含めて若い人たちは、自分探しの旅やら自己啓発セミナーやらで自分ということをとても強調する時代であろうかと思います。


「それは仲間です」


私という存在が単独で存在しているのではなく、あらゆる関係性(仲間)の中でこそ成り立って、たまたま私が活躍できたことをテレビを通して全国の多くの人々に伝えたことで感動を与えました。


まさに仏教の縁起の教えです。


私は、斉藤投手が特別なことを言っているとは思いません。
良いことを言おうと思って言った言葉でもないと思います。
当たり前のことを、斉藤投手は野球というフィルターを通して、気付いたことそのことを正直に伝えただけです。
そこに気付くことが出来た、それが斉藤投手の素晴らしさではないでしょうか。


釋徹宗先生の言葉を借りるとすると
まさに「自分の思想や信条よりも関係性が先」。


昨日の感動は、深い深い感動でありました。

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