本当の幸いは・・・
- 2011年12月21日(水) 文:sakulla
- 仏声人語
- comments(0)
「ほんとうのさいわいは 一体なんだろう」
朝、子供に合わせたテレビ番組をつけていると、ふと家事の手が止まる言葉が聞こえてきた。
近代文学に弱い私は、それが宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に出てくる言葉だとは知らなかった。
「本当の幸いは 一体なんだろう」
思いがけずも朝から本当の幸せについて考えるハメになったのだが、最近「幸せ」というと思い出すのが、11月に来日したブータン王国のワンチェク国王のことである。
「世界一幸せな国」と言われるブータン。
その元にある「国民総幸福量(GNH)」という言葉が日本でも聞かれるようになったのは、つい最近のことだ。
幸福の尺度は住居・健康・文化活動などなど、多数の指標を設けて国民の意識調査を行う。
その結果を数値化し、数値の低い分野には国家予算を投入し、ブータンは幸福の底上げに努めている。
そのブータンから新婚の国王夫妻が来日した際、お二人を追いかける連日の報道は誰の記憶にも新しいことだろう。
そして、日本での行程の中で福島県相馬市を訪れた国王は、桜ヶ丘小学校の児童たちに自らの言葉でこう語りかけられた。
皆さんは龍を見たことがありますか?
私はあります。
龍は私たち一人一人の中にいて、経験を食べて大きくなります。
だから、私たちは日増しに強くなるのです。
皆さん、自分の中にいる龍を強く大切に育ててください。
白龍を描く国旗を掲げるブータン王国。
この白龍は「ドゥルック・ユル」と呼び、国王を「ドゥルック・ギャルボ」と呼ぶそうで、前者を「雷龍の国」、後者を「雷龍の王」と訳すという。
その雷龍の王が語られた言葉は、子供のみならず、大人である私の心にも響くものだった。
振り返ると、良い経験もしていれば、悪い経験もしてきている。
そして、それらすべてが今の私の糧となっている。
そうやって私は強くなり、そうやってこれからも生きていく。
だからこそ、自分の中にいる「経験を食べる龍」に何を食べさせてきたのか、何を食べさせていくのかを、考えながら進んでいくことの大切さに気づかされた思いがした。
本当の幸せは、個々に異なるものではあるだろう。
その中でも確かなことは、これまでその根底にあったのは国民総生産(GDP)が示す豊かさであったはずだ。
だが、その豊かさに覆い隠された平凡で当たり前で何気ない本当の幸せがあったことに、私たちが気づかされたのが2011年という一年だったと思う。
それゆえ、これまでの私たちの幸せを支えてきた経済成長率や医療水準の高さ、消費や所得の多さは、国民の本当の幸せについて考え続ける雷龍の王の血の通った温かな言葉の前では、あまりに色褪せて見えた。
被災地の子供たちが3月11日以降に経験してきたことを思うと、彼らの龍が強大なものとなることは想像に難くない。
くしくも2012年の干支は龍。
どうか彼らの龍が天高く翔られるような素晴らしい経験に満ち溢れた年となることを思い、手を合わせる。
そして12月23日のメリシャカライブが、本当の幸せを覆い隠している「価値観」や「固定概念」というものを打ち砕くものとなったのならば・・・それが今の私の幸いである。
コメント





