東の空から新年の光が。

 去年の年末、友人と食事をしていて「今年はどんな年だった?」と聞かれました。
友人は、私のやっていることを知っているので、私がなんと答えるのか、に興味があったのだと思いますが、すぐに答えることはできませんでした。

それから時折その質問にどう答えるかなぁと考えてみて、ひとつ思い当たる言葉を見つけました。

「あまりに多くのことに改めて気づかされた一年であった」という表現です。

東日本大震災によって、日本という国土には自然災害が必ず起こるのだということを再認識しました。

電気によって便利で豊かになったという生活の土台に、原発立地の方々への大きなリスクと犠牲があるということを知りました。

ボランティア活動と自己満足の是非を巡って、本当にさまざまな人間の気持ちの機微を感じました。

放射能への不安や問題意識をめぐって、人と人が断絶していってしまう現状も目の当たりにしました。

多くの怒りと哀しみに触れました。

同時に、多くの感謝と喜びにも触れました。

けれども感謝の言葉を頂戴し、いいことをしている、と思えばそこから傲慢が生まれます。
自分が正しいと思い、自己を正当化し、他者を攻撃してしまいます。
そんな自分の心にも、改めて気づかされました。
 けれどもよくよく考えてみると、私が感じたことは、去年起こった出来事に由来するけれども、実はずっとずっと私の身近にあったことかもしれないとも言えます。

全体の規模の大小が問題なのではなく、ひとりひとりの人生の中で、自然災害や事件事故に遇い、何かを犠牲にして生活を成り立たせ、感情の機微に一喜一憂し、人間関係の断絶を経験しながら生きてきたし、哀しいけれど、きっとこれからもそうなのでしょう。

自己正当化、自己中心な考え方、他者を否定することも、日常茶飯事のこの私です。

そういう私を、そういう人間を、慈悲と知恵の光で照らしてくださる仏がおられます。

痛みや悲しみ、苦しみや怒りを抱えたままでよい、と言ってくださる教えがあります。


新年、穏やかな光の太陽が、東の空からのぼりました。
新しい一年の始まりです。

有縁の皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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