里帰り(その後)
- 2012年07月20日(金) 文:キッスィ
- 仏声人語
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前回、15年前にうちにあったN寺の釣り鐘を返却し、それを再び見に行く予定である、と書いた。
書いた数日後、ボク・前住職である父・お寺の門徒(檀家)さんの総勢16名で出発。
今回はうちのお寺の旅行も兼ねていて、N寺だけではなく、他のところも巡ってきた。
N寺に行く前に、島根県大田市にある妙好人・才市(さいち)さんゆかりのお寺を訪ねた。
妙好人とは、浄土真宗の教えをとても喜ばれて、詩などを残しておられる方のこと。その中でも才市さんは最も有名な妙好人の1人である。
お寺で才市さんのことを聞かせてもらい、資料を拝見した。
「かぜをひけばせきが出る 才市がご法義のかぜをひいた 念仏のせきが出る出る」
この詩は境内にある碑に刻まれている。かぜをひいたら自然とせきがでるように、ご法義(真宗の救い)を聞くと、自然とお念仏が出てくるという詩だ。
自分はどうだろう。せきのように自然とお念仏が出てきてるだろうか。そんなことはないなぁ・・・。
さて、次は出雲のN寺だ。
国道9号線からすぐ、お寺が見えてきた。入口には保育園もある。
着いたら、ご住職さんと奥さんが笑顔で迎えてくれた。
さっきまで才市さんのところに…と言ったら、「あぁA寺さんですね」宗旨は違うけどよくご存知なようだった。
着いたのは2時すぎだったが、その日の午前中は法要がり、100人ほどの参拝があったそうだ。
本堂に上がると、浄土真宗とは内部が異なっている。真宗では内陣(一段高くなって、僧侶が読経したり阿弥陀仏が安置してあるところ)があるが、それがないのだ。
フラットな畳部屋が広がり、奥に仏さまが安置されている。聞いたら、檀家さんも奥まで行けるとのこと。思わず僕も奥までズンズンと進んで拝見した。
そして驚いたのが、荘厳台。お花・ロウソク・お供えがあるのはフツーなのだが、置いてある場所と向きが違っているのだ。
本堂の入口近く、入口に背を向けてお供えしてあるのだ。仏さまとは向き合ってる状況である。
どうも年に1度だけその方向で法要をするとのこと。よく見ると、入口に仏さまの名前が書かれたものが下げられていた。
参拝の方々は入口に向かって座るのだろうか。想像すると不思議な光景である。

主役の釣り鐘は本堂左の廊下にあった。父はご住職の「さぁ釣り鐘へどうぞ」という声に喰い気味で鐘に近づき、説明をし始めた。
よほど思い入れがあるのだろう。いや、周りが見えてないだけか!?
釣り鐘をぐるっと見回すと、確かに「雲州○村N寺」とある。これを父は発見したんだな。さらに見回すと、新しい文字が刻まれていた。
「平成7年山口県G寺より」とある。ご住職の釣り鐘に対する思い、そしてうちのお寺に対する思いがそこに表れていた。
門徒さんがどれどれと鐘に集まって来て、手で軽く叩いて具合を確かめている中、その方々を押しのけて「記念に叩かせてください!」と父。
鐘は通常、行事の時や朝夕の定時に鳴らす以外はまずないのに、ご住職はニコニコしながら快諾してくださった。
カーン 住宅地に鐘の音が響く。
お茶を頂きながら、父とご住職が返還の時の思い出話をしていた。古くからの友人であるかのようで、笑顔が絶えなかった。
その後、玉造温泉で宿泊・松江観光して岐路についた。
釣り鐘クン!そっちでも楽しくやっているようで安心したぞ!遠くから応援してますぜ!





