「ことば」

 

ことばって、何だと思う?
けっしてことばにできない思いが、
ここにあると指すのが、ことばだ。

これは、詩人、長田弘さんの詩の一節です。

みなさんはこの一節を読んでどんなことを感じられたでしょうか。

「う〜ん」とうなられた方、「その通りだ」と思われた方、首をかしげられた方もいらっしゃるかもしれません。

ことばの裏側に「想い」というものがあるとしたら、その「想い」をことばというもので表現するのはとても難しいことだと最近思います。

ことば一つのいい間違いで、いらぬ喧嘩をしてしまったり、嫌な思いをよく繰り返してしまいます。

「分かってくれるだろう」との甘えから、ことばが抜け落ちてしまうことがあると思っていましたが、本当はことばの前に相手へ伝えたい「想い」が抜け落ちてしまっていたのかもしれません。

アメリカの画家であり、絵本作家のターシャ・テューダーはこんなことばを残しました。

心は一人ひとりちがいます。
その意味では、ひとはいつも「ひとり」なのよ。


ことばにした「想い」がどうしても伝わらない。

それはことばの力が足りなかった訳でも、ことばの裏の想いがこぼれおちた訳でもなく、元々私たちの心が一人ひとり違うことをターシャは思い返させてくれます。

分かってくれると思って、理解されなければ、腹が立つのは当然です。

しかし、元々私たちはどんなに一緒に時間を過ごしても、想いを通わせても別々の存在なのです。

だからこそ、そんな私たちは「分かりあえないことから」はじめてみてみてもいいのかもしれません。

そうすると、また別の世界が見えてくるかもしれないと、気づきながらも自分の思い通りにならない人の心に心を悩ます私でした。

そう考えると仏さまの「あなたが救われないのなら、私は決して安らかな世界には生まれない」とのことばが、なんだかいつにもまして私に呼びかけて下さっているようでした。


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