しあわせな瞬間

 先日、友人に第三子が生まれたので、天真寺本堂にて初参式をおつとめした。第一子を授かるまで大変だったというが、この度は、おめでたいことに第三子・女の子の初参式でした。よく初参式とは何?というご質問を頂く。初参式とは、生まれた赤ちゃんが初めてお寺参りをすること。尊いご縁によって恵まれた新しいいのち。阿弥陀如来の御前にて、ご家族、また縁ある方々そろって誕生をお祝いし、感謝する法要です。 詳しくはコチラ(メリシャカ!チスイくんのコラム)をご覧下さい。→http://www.merry-shaka.com/?eid=686

さて、法要終了後、初参式のお祝いと称して、友人と近所の酒屋にお酒を飲みに行った。友人は、小学校・中学校の同級生。いつも懐かしトーク、他愛もない話を肴にお酒を飲む。しかし、話をしながらふと気がついた。今までは「なつかし話」「次回の飲み会」という内容だったが、この度は「子どもの話」「家の話」「ローンの話」・・・内容が変わっている。さらには、友人が「誰が一番早く死ぬだろうね、俺らは酒を飲みすぎだから早いだろうな」という話になり、年齢を感じました。


そして、小田和正さんの「言葉にできない」という曲で印象深い明治生命のCMの話に。以前、『しあわせな瞬間(とき)』というテーマで一般公募で写真を募集して、応募をされた方の写真がCMが流れていた。そのCMの中に、お父さんと息子の秋雪くんのツーショット写真が放映されていた。
 

秋雪くんは「心内膜症欠損症と肺高血圧」そして「ダウン症」という病をもって生まれた。毎日、朝夕と薬を飲み続け、風邪を引かせないために人混みをさけ、虫歯を作らせない。部屋の室温は夏は26℃、冬は21℃。湿度は40%〜60%を保つなどさまざまな条件が必要。しかし現実は、秋雪君は、一ヶ月後・一年後に命を終えていくか分からない、長生きしたとしても10年の寿命が限界だといわれたそうです。限りあるいのちであると知らされた上で過ごす毎日。
・普通の子供より遅いけれども歩くことができるようになる
・幼稚園に一人で行けるようになる
・ゆっくりゆっくりゴールした運動会
・念願だった大洗海岸に行く、那須のホテルに行く、久慈浜海岸に行く
両親は秋雪君との一瞬一瞬を大切に過ごした。


秋雪君は6歳で命を終えていかれた。お父さんには、「残念だね」「もっと生きられたらよかったのに」という言葉をかけられたかもしれません。しかし、秋雪くんのお父さんの支えとなったのは「人の幸せはいのちのながさではないのです」という言葉だったそうです。(「たったひとつのたからもの」加藤浩美著より)

という話に。「長く生きてこそ幸せ」「お金があれば幸せ」という私達の考えた世界の幸せはいつか崩れていく。とともに、自らの欲望を求めていっても、満たされることはない。もっとおおきな命をつらぬいていく幸せがある、それが仏様の眼である。今の一瞬一瞬がかけがえのない輝いている人生であると願い続けている仏様の願い、私の欲望は限りがなく満たされることがないということを聞かせて頂くことの大切さを感じた瞬間でした。
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